壁紙のDIYに挑戦したものの、つなぎ目が浮いたり隙間ができて見た目が悪くなってしまった経験はありませんか。プロが貼った壁紙は継ぎ目がほとんど目立たないのに、自分で貼るとどうしても目立ってしまうという悩みを抱える方は多いです。この記事では、壁紙のつなぎ目が目立つ原因から、プロが実践する目立たないジョイント処理の技術、失敗した場合の補修方法まで、初心者でも理解できるよう詳しく解説します。
壁紙のつなぎ目が目立つ3つの原因
壁紙の継ぎ目が目立ってしまうのには、明確な原因があります。主な原因を理解することで、失敗を未然に防ぐことができます。
重ね切りの失敗→カッターの角度と力加減
重ね切りの失敗は、壁紙のつなぎ目が目立つ最大の原因です。重ね切りとは、2枚の壁紙を重ねて一度にカットする技法ですが、カッターの角度や力加減を間違えると綺麗な切り口にならず、隙間ができてしまいます。
具体的には以下のような失敗パターンがあります:
- カッターを垂直に当てず、斜めに入れてしまい切り口が凸凹になる
- 力を入れすぎて下地の石膏ボードまで傷つけてしまう
- 一度で切れずに何度もカッターを入れ、切り口がガタガタになる
- 刃の切れ味が悪く、壁紙がよれてしまう
プロは30度程度の角度でカッターを当て、適度な力加減で一気に切り抜きます。この技術が、つなぎ目を目立たなくする第一歩となります。
下地処理の不足→凹凸や汚れの影響
壁紙を貼る前の下地処理の不足も、つなぎ目が目立つ大きな原因です。壁面に凹凸や汚れ、古い接着剤が残っていると、壁紙がしっかり密着せず、特につなぎ目部分が浮きやすくなります。
下地に問題があると、以下のような不具合が生じます:
- 壁面の凹凸に沿って壁紙が波打ち、継ぎ目に段差ができる
- 汚れや油分があると接着力が弱まり、時間が経つと剥がれてくる
- 古い壁紙の剥がし残しがあると、その部分だけ厚みが出て目立つ
- 下地の穴や傷をそのままにすると、壁紙が沈み込んで継ぎ目がずれる
下地の状態は、仕上がりの7割を決めると言われています。壁紙を貼る前には必ず、壁面を平滑にし、汚れを落とし、必要に応じてパテ処理を行うことが重要です。
糊の塗り方の問題→端部への糊の行き渡り
糊の塗り方も、つなぎ目の仕上がりに大きく影響します。特に壁紙の端部に糊がしっかり行き渡っていないと、接着不良を起こしてつなぎ目が浮いたり剥がれたりします。
糊に関する代表的な失敗例は以下の通りです:
- 壁紙の中央部分にだけ糊を塗り、端部が乾いた状態で貼ってしまう
- 糊の量が少なすぎて接着力が不足している
- 逆に糊が多すぎて、はみ出した糊を拭き取る際に継ぎ目がずれる
- 糊が乾燥してから貼ろうとして、既に接着力が弱まっている
最近では生のり付き壁紙が普及しており、初心者でも均一に糊を塗ることができるため、こうした失敗を減らすことができます。ただし、生のり付き壁紙でも、端部を押さえてしっかり密着させる作業は必須です。
プロが実践する目立たないジョイント処理の基本
プロの内装業者が実践しているジョイント処理の技術を理解すれば、DIYでも綺麗なつなぎ目を実現できます。ここでは、その基本技術を詳しく解説します。
重ね切り法の正しい手順→2枚重ねて一度に切る
重ね切り法は、プロが必ず使う技法です。この方法では、既に貼った壁紙の上に新しい壁紙を5cm程度重ねて貼り、その重なった部分を2枚まとめて一度にカットします。
正しい重ね切りの手順は以下の通りです:
- 1枚目の壁紙を貼り、しっかり圧着させる
- 2枚目の壁紙を5cm程度重ねて貼る(この重ね代が重要)
- 重なった中央部分に地ベラを当て、定規代わりにする
- 地ベラに沿ってカッターで2枚まとめて一気に切る
- 切り取った上側の細い壁紙を剥がす
- 下側の壁紙をめくり、切り取った細い部分を取り除く
- 継ぎ目を合わせてローラーで圧着する
この方法を使えば、2枚の壁紙の切り口が完全に一致するため、隙間や段差のない美しいつなぎ目が実現できます。重ね切りをせずに突き付けて貼ろうとすると、わずかな誤差が目立ってしまうため、必ず重ね切り法を使いましょう。
カッターの選び方と刃の角度→専用カッターと30度
壁紙用の専用カッターを使うことは、綺麗なつなぎ目を作るための必須条件です。一般的な工作用カッターでは刃が薄すぎたり幅が狭すぎたりして、壁紙を一度で切れません。
プロが使うカッターには以下の特徴があります:
- 替刃式で常に切れ味の良い刃を使える(1面貼るごとに刃を折るのが基本)
- 刃の幅が広く、安定してカットできる
- 刃の角度を30度程度に保ちやすい形状
- 握りやすいグリップで力のコントロールがしやすい
カットする際の刃の角度は30度前後が理想的です。垂直すぎると下地まで切ってしまい、寝かせすぎると壁紙が引っ張られてよれてしまいます。カッターを持つ手首の角度を固定し、地ベラに沿って滑らせるように動かすのがコツです。
地ベラの使い方→定規代わりの当て方
地ベラは、重ね切りをする際に定規代わりとして使う道具です。ステンレス製で幅15cm程度のものが一般的で、カッターガイドとして欠かせません。
地ベラの正しい使い方のポイントは以下の通りです:
- 重なった壁紙の中央に地ベラをしっかり押し当てる
- 地ベラが壁面から浮かないよう、手のひら全体で押さえる
- 地ベラの角度は壁面に対して垂直に保つ
- カッターを動かす際、地ベラがずれないよう固定する
地ベラがずれたり浮いたりすると、カットラインが曲がってしまい、つなぎ目に隙間ができます。慣れないうちは、利き手でカッター、反対の手で地ベラを押さえるという動作をゆっくり確実に行いましょう。
ローラー処理のタイミング→糊が乾く前の圧着
ローラー処理は、つなぎ目を密着させる仕上げ作業です。このタイミングを間違えると、せっかく綺麗に切った継ぎ目が浮いてしまいます。
ローラー処理の正しいタイミングと方法は以下の通りです:
- 糊が乾く前、できれば重ね切り直後に行う
- ローラーは継ぎ目に沿って上から下へ転がす
- 適度な力で3回程度往復させる
- 強く押しすぎると糊がはみ出すので注意
- はみ出した糊はすぐに濡れスポンジで拭き取る
ローラーには、継ぎ目専用のジョイントローラー(幅3cm程度)と、広い面を圧着する撫でバケ・竹ベラなどがあります。つなぎ目部分には必ずジョイントローラーを使い、壁紙と壁面を密着させましょう。糊が乾いてからでは接着力が弱まるため、スピーディな作業が求められます。
必要な道具・材料
壁紙のつなぎ目を綺麗に仕上げるには、適切な道具と材料を揃えることが重要です。ここでは、必須の道具と作業を楽にする補助道具を紹介します。
必須の専用工具→カッター・地ベラ・ローラー
壁紙のジョイント処理に絶対に必要な道具は以下の3つです:
- 壁紙用カッター:替刃式で刃の切れ味が良いもの(価格:500~1,500円)
- 地ベラ:ステンレス製で幅15cm程度のもの(価格:500~1,000円)
- ジョイントローラー:継ぎ目専用の幅3cm程度のもの(価格:300~800円)
これらの道具は、ホームセンターや通販サイトで壁紙施工セットとして販売されていることも多く、まとめて購入すれば2,000~3,000円程度で揃います。一般的な工作用カッターや定規で代用しようとすると、綺麗な仕上がりにならないため、必ず専用工具を使いましょう。
作業を楽にする補助道具→メジャー・スポンジ等
必須ではないものの、あると作業が格段に楽になる補助道具も揃えておくと良いでしょう:
- メジャー(コンベックス):壁面のサイズを正確に測るため(価格:500~1,000円)
- 水平器(レーザー水平器があれば尚良):1枚目を垂直に貼るため(価格:1,000~5,000円)
- スポンジ:はみ出した糊を拭き取るため(価格:100~300円)
- バケツ:スポンジを濡らす水を入れるため
- 脚立または踏み台:天井近くの作業に必要(価格:3,000~10,000円)
- マスキングテープ:コンセントカバーなどの養生用(価格:200~500円)
これらの補助道具は、既に家にあるもので代用できる場合も多いです。特に水平器は、スマートフォンのアプリでも代用可能なので、まずはアプリを使ってみるのも良いでしょう。
壁紙と糊の選び方→生のり付き推奨
壁紙とそれに使う糊の選び方も、つなぎ目の仕上がりに影響します。初心者には生のり付き壁紙が強く推奨されます。
生のり付き壁紙のメリット:
- 裏面に既に糊が塗られているので、糊を塗る手間がない
- 糊の量が均一なので、接着ムラが起きにくい
- 糊の塗り方の失敗がなくなる
- 作業時間が短縮できる
一方、糊なし壁紙を使う場合は、専用の壁紙用糊を別途購入する必要があります。粉末タイプを水で溶いて使うものや、チューブ入りの糊などがあり、価格は500~2,000円程度です。糊なし壁紙は上級者向けなので、初めてのDIYでは生のり付きを選びましょう。
壁紙自体の価格は、1m(幅約90cm)あたり300~1,000円程度です。6畳の部屋を全面貼り替える場合、壁紙代だけで10,000~30,000円程度が目安となります。
つなぎ目を目立たなくする貼り方手順
ここからは、実際につなぎ目を目立たなくするための具体的な貼り方の手順を解説します。この手順を守れば、初心者でもプロに近い仕上がりを目指せます。
下地確認と前処理→凹凸チェックと補修
壁紙を貼る前の下地確認と前処理が、綺麗なつなぎ目を作る第一歩です。壁面の状態をしっかりチェックし、問題があれば補修します。
下地確認のチェックポイント:
- 凹凸の確認:手のひらで壁を触り、段差や出っ張りがないかチェック
- 汚れ・油分の確認:キッチン周りなどは特に油汚れが付着していないか確認
- 古い壁紙の状態:剥がれかけている部分、破れている部分がないか確認
- 穴や傷の確認:画鋲の穴、ぶつけてできた凹みなどがないか確認
問題がある場合の補修方法:
- 汚れ:中性洗剤で拭き取り、乾燥させる
- 油分:アルコールや専用のクリーナーで脱脂する
- 穴や傷:壁紙用パテで埋めて平滑にし、乾燥後にサンドペーパーで研磨
- 古い壁紙の浮き:剥がれかけている部分は完全に剥がすか、専用糊で再接着
下地がフラットで清潔な状態になって初めて、壁紙がしっかり密着し、つなぎ目が目立たなくなります。この工程を省略すると後々トラブルになるので、必ず丁寧に行いましょう。
1枚目の貼り付け→垂直出しと圧着
1枚目の貼り付けは、その後の作業の基準となるため特に重要です。垂直が出ていないと、2枚目以降がどんどんずれていき、最後に大きな誤差が生じます。
1枚目を貼る手順:
- 壁の角から5mm程度内側を基準ラインとする(角は完全に垂直でない場合が多いため)
- 水平器やスマホアプリで垂直ラインを確認する
- 天井側から壁紙を貼り始め、垂直ラインに合わせて位置を調整
- 中央から外側に向かって、撫でバケで空気を抜きながら圧着
- 天井・床・角の余分な壁紙をカッターでカットする
- ローラーで全体を圧着し、特に端部をしっかり押さえる
1枚目が垂直に貼れているかどうかで、最終的な仕上がりが大きく変わります。何度も位置を確認しながら慎重に作業しましょう。生のり付き壁紙は貼り直しが可能なので、納得いくまで調整できます。
2枚目の重ね代設定→5cm重ねる理由
2枚目以降の壁紙を貼る際は、既に貼った壁紙に5cm程度重ねることが重要です。この重ね代が少なすぎると重ね切りがやりにくく、多すぎると無駄が出ます。
5cm重ねる理由:
- 重ね切りをする際、地ベラを当てる十分なスペースが必要
- カットする際に手元がぶれても、余裕があるので修正しやすい
- 重ね代が広すぎると、カット後の残った壁紙を剥がす際に既存の壁紙まで剥がれるリスクがある
- 業界標準として5cmが最も作業しやすい幅とされている
2枚目を貼る際は、1枚目の端から5cm手前の位置から貼り始め、1枚目と同様に垂直を保ちながら圧着します。柄がある壁紙の場合は、この段階で柄合わせも同時に行います。
重ね切りの実践→カット位置と力加減
いよいよ重ね切りの実践です。この作業がつなぎ目の美しさを決定します。
重ね切りの具体的な手順:
- 重なった部分の中央に地ベラを垂直に当てる
- 地ベラをしっかり押さえ、絶対にずれないようにする
- カッターの刃を新しいものに交換する(切れ味が命)
- カッターを30度の角度で地ベラに沿わせる
- 一定の力加減で、止まらずに一気に切る(途中で止まると切り口がガタガタになる)
- カットしたら、上側の細い壁紙を剥がす
- 下側の壁紙の端を少しめくり、下に挟まったカット片を取り除く
- 継ぎ目を合わせて、ジョイントローラーで圧着する
力加減のコツは、「壁紙は切れるが下地は切れない程度」です。力が弱すぎると2枚同時に切れず、強すぎると下地の石膏ボードまで傷つけてしまいます。何度か練習して感覚を掴むことが大切です。
重ね切り直後にジョイントローラーで圧着することで、継ぎ目が完全に密着し、ほとんど目立たない仕上がりになります。
柄合わせが必要な壁紙のジョイント処理
柄がある壁紙を貼る場合は、つなぎ目で柄を合わせる作業が追加されます。これは無地の壁紙より難易度が高いため、初心者は無地から始めることをおすすめします。
リピート柄の合わせ方→パターンマッチング
リピート柄とは、一定の間隔で同じ模様が繰り返されるデザインのことです。壁紙には「リピート寸法」が表示されており、例えば「32cm」と書かれていれば、32cmごとに同じ柄が現れます。
柄合わせの手順:
- 1枚目を貼る際、柄の位置を確認しながら貼る
- 2枚目を貼る際、1枚目の柄と合うように上下にずらして調整
- 柄がぴったり合った位置で5cm重ねて仮貼り
- 柄のずれがないか最終確認してから本圧着
- 重ね切りをする際、できるだけ柄の目立たない部分をカットラインにする
柄合わせをすると、上下のカット位置がずれるため、壁紙の無駄が多く出ます。リピート寸法が大きい柄ほど無駄が増えるので、購入時には余裕を持った量を用意しましょう。一般的には、計算値の10~20%増しで購入すると安心です。
縦柄・横柄別の注意点→視覚的な違和感対策
柄の方向によって、つなぎ目の目立ち方が変わります。
縦柄(ストライプなど)の注意点:
- 垂直がずれると柄が傾いて見えるので、水平器での確認が特に重要
- 継ぎ目で柄が途切れると目立つため、重ね切りの精度が求められる
- ストライプの線上で継ぎ目を作ると目立ちにくい
横柄(ボーダーなど)の注意点:
- 水平がずれると柄が波打って見えるため、特に天井付近の水平確認が重要
- 横柄は視線が横に流れるため、継ぎ目が縦柄より目立ちやすい
- 柄の境目で重ね切りをすると目立ちにくい
総柄(花柄・幾何学模様など)の注意点:
- 柄合わせが複雑で、上下左右のずれが許されない
- 初心者には最も難易度が高いため、無地か単純な柄で練習してから挑戦する
- 継ぎ目を柄の密集した部分に持ってくると目立ちにくい
柄物の壁紙は、つなぎ目の処理だけでなく、全体の柄の流れも意識する必要があるため、作業時間も長くなります。初めてのDIYでは、無地または小さな柄の壁紙から始めることを強くおすすめします。
注意点・よくある失敗
壁紙のDIYでは、初心者が陥りやすい失敗パターンがあります。ここでは代表的な失敗例と、その対策を紹介します。
カッターで下地まで切る→石膏ボード損傷リスク
最も多い失敗が、カッターの力が強すぎて下地の石膏ボードまで切ってしまうことです。石膏ボードに深い傷が入ると、補修が必要になり、賃貸住宅の場合は退去時に原状回復費用を請求される可能性もあります。
下地を傷つけないための対策:
- カッターは「壁紙が切れる最小限の力」で使う
- 初めは弱い力でカットし、切れなければ少しずつ力を加える
- 一度で切ろうとせず、軽く2~3回なぞる感覚でカットする
- 地ベラを下地とカッターの間のガードとして機能させる
特に賃貸住宅でDIYする場合は、原状回復可能な範囲を事前に確認し、慎重に作業しましょう。万が一下地を傷つけてしまった場合は、壁紙用パテで埋めて補修できますが、跡が残る場合もあります。
糊が乾いてから圧着→接着不良の原因
作業に時間がかかり、糊が乾いてから圧着しようとする失敗もよくあります。糊は乾燥すると接着力が大幅に低下し、特につなぎ目部分が浮きやすくなります。
糊の乾燥を防ぐ対策:
- 生のり付き壁紙は、パッケージから出したらすぐに貼る
- 重ね切りは壁紙を貼った直後(糊がまだ湿っている間)に行う
- 作業が遅れそうな場合は、霧吹きで糊面を湿らせる
- 一度に広い面積を作業せず、1~2枚ずつ確実に仕上げる
生のり付き壁紙の作業可能時間は約15~20分とされています。それ以上時間が経つと糊が乾き始めるため、手際よく作業することが重要です。初心者は焦らず、1枚ずつ丁寧に仕上げることを優先しましょう。
つなぎ目の浮き放置→時間経過で悪化
貼った直後は問題なくても、数日後につなぎ目が浮いてくることがあります。これは糊の接着が不十分だったり、壁紙が収縮したりするためです。小さな浮きを放置すると、時間とともに範囲が広がります。
浮きを防ぐ対策:
- 貼った直後だけでなく、1時間後・1日後にも継ぎ目を確認する
- 浮きを発見したら、すぐにローラーで圧着し直す
- 糊が完全に乾いてから浮きが出た場合は、後述の補修方法を実施
- 壁紙を引っ張りすぎて貼らない(収縮による浮きの原因)
壁紙は貼った直後から徐々に収縮する性質があります。特に湿度が高い時期に貼った壁紙は、乾燥すると収縮しやすいため注意が必要です。
無理な引っ張り→縮みによる隙間発生
壁紙を貼る際、シワを伸ばそうと無理に引っ張る失敗もよくあります。壁紙は引っ張られた状態で貼ると、後から元に戻ろうとして収縮し、つなぎ目に隙間ができます。
収縮を防ぐ対策:
- 壁紙は引っ張らず、自然に垂らすように貼る
- シワは撫でバケで中央から外側に押し出して取る(引っ張って伸ばさない)
- 特に横方向には絶対に引っ張らない
- どうしてもシワが取れない場合は、一度剥がして貼り直す
壁紙は紙やビニール製で、伸縮性がある素材です。引っ張って貼ると一時的にシワが消えますが、後から必ず収縮するため、自然な状態で貼ることが重要です。
つなぎ目の補修方法(既存の目立つ継ぎ目対策)
すでに貼ってある壁紙のつなぎ目が目立ってきた場合や、DIYで失敗してしまった場合の補修方法を解説します。
浮きの補修手順→糊の注入とローラー圧着
つなぎ目が浮いている場合は、糊を追加して圧着し直すことで改善できます。
浮きの補修手順:
- 浮いている壁紙を慎重にめくる(破らないよう注意)
- 壁紙用の糊(チューブタイプが便利)を浮いた部分の裏に塗る
- または注射器タイプの糊注入器を使い、浮きの隙間から糊を注入
- 壁紙を元の位置に戻し、ジョイントローラーでしっかり圧着
- はみ出した糊を濡れスポンジで拭き取る
- 1日程度乾燥させ、再度浮きがないか確認
補修用の糊は、ホームセンターで300~500円程度で購入できます。注射器タイプの糊注入器を使えば、壁紙を剥がさずに補修できるため便利です。
ただし、浮きの範囲が広い場合は、壁紙を大きくめくる必要があるため、破れるリスクが高まります。無理をせず、プロに依頼することも検討しましょう。
隙間の補修方法→コーキング処理の可否
つなぎ目に隙間ができてしまった場合は、補修方法が限られます。
隙間の幅別の補修方法:
- 1mm未満の微細な隙間:壁紙と同色のコーキング材で目立たなくできる
- 1~2mmの隙間:コーキング材である程度目立たなくなるが、近くで見ると分かる
- 2mm以上の隙間:コーキングでは不自然になるため、壁紙の貼り直しが必要
コーキング処理の手順:
- 壁紙と同色のコーキング材を用意(白・ベージュ・グレーなどが一般的)
- 継ぎ目の隙間をマスキングテープで養生
- コーキング材を隙間に充填
- ヘラで表面を平滑に均す
- マスキングテープを剥がし、乾燥させる
ただし、コーキング材は壁紙とは質感が異なるため、完全に隙間を隠すことは難しいです。遠目には目立ちませんが、近くで見ると補修跡が分かります。根本的な解決には、壁紙の貼り直しが最善です。
補修が難しいケース→プロ依頼の判断基準
以下のような場合は、自分で補修するのは困難なため、プロに依頼することを検討しましょう:
- 広範囲にわたって壁紙が浮いている・剥がれている
- 下地の石膏ボードが破損している
- 柄物の壁紙で柄合わせが必要な補修
- 天井など高所で作業が危険な場合
- 補修を試みたが改善しない、または悪化した場合
プロに依頼した場合の費用目安:
- 部分補修:5,000~15,000円(範囲や内容による)
- 1面貼り替え:15,000~30,000円(6畳の部屋の1面想定)
- 部屋全体の貼り替え:30,000~80,000円(6畳の部屋全面)
DIYで失敗して補修もうまくいかない場合は、無理をせずプロに相談することをおすすめします。特に賃貸住宅では、退去時のトラブルを避けるためにも、早めにプロの判断を仰ぐことが重要です。
費用目安・材料費の相場
壁紙のDIYにかかる費用と、プロに依頼した場合の費用を比較してみましょう。
DIY施工の場合→道具代と壁紙代の内訳
6畳の部屋の壁1面(約10㎡)を壁紙DIYする場合の費用目安:
道具代(初回のみ):
- 壁紙用カッター:500~1,500円
- 地ベラ:500~1,000円
- ジョイントローラー:300~800円
- 撫でバケ:300~500円
- メジャー:500~1,000円
- 水平器アプリ(無料)~レーザー水平器:0~5,000円
- スポンジ・バケツ:300~500円
- 合計:約2,400~10,300円
材料代(毎回必要):
- 生のり付き壁紙(1m):300~1,000円
- 10㎡分で約12m必要(余裕含む):3,600~12,000円
- 補修用糊(念のため):300~500円
- 合計:約3,900~12,500円
初回総額:約6,300~22,800円
2回目以降(道具使い回し):約3,900~12,500円
道具は一度揃えれば何度も使えるため、複数の部屋をDIYすればするほど、1部屋あたりのコストは下がります。また、壁紙のグレードによって価格が大きく変わるため、予算に応じて選びましょう。
プロに依頼する場合→1㎡あたりの単価相場
プロの内装業者に壁紙の貼り替えを依頼した場合の費用相場は以下の通りです:
単価相場(材料費+施工費込み):
- 量産品クロス:800~1,200円/㎡
- 中級グレードクロス:1,200~2,000円/㎡
- 高級クロス:2,000~3,500円/㎡
6畳の部屋1面(約10㎡)の場合:
- 量産品:8,000~12,000円
- 中級品:12,000~20,000円
- 高級品:20,000~35,000円
プロに依頼するメリット:
- 作業時間が短い(1面なら1~2時間)
- 仕上がりが美しく、つなぎ目がほとんど目立たない
- 下地処理や補修も含めて対応してくれる
- 失敗のリスクがない
- 賃貸の場合、原状回復の心配がない
プロに依頼するデメリット:
- DIYより費用が高い
- 業者の予約や立ち会いが必要
- 自分の好きな壁紙を使えない場合がある(業者指定の壁紙から選ぶ)
初めて壁紙DIYに挑戦する場合は、まず目立たない場所の1面から始めてみて、自信がついたら他の部屋に広げるのがおすすめです。失敗しても補修できる範囲で経験を積みましょう。
まとめ
この記事では、壁紙のつなぎ目を目立たなくする方法について詳しく解説しました。重要なポイントを振り返ります:
- つなぎ目が目立つ原因を理解する:重ね切りの失敗、下地処理の不足、糊の塗り方の問題が主な原因です。これらを事前に把握することで失敗を防げます。
- 重ね切り法をマスターする:2枚の壁紙を5cm重ねて一度にカットする重ね切り法が、綺麗なつなぎ目を作る最も確実な方法です。カッターの角度は30度、地ベラでガイドし、一気に切ることがコツです。
- 適切な道具を使う:壁紙専用のカッター・地ベラ・ジョイントローラーは必須です。一般的な工作用カッターでは綺麗に仕上がりません。また、生のり付き壁紙を選ぶことで初心者でも失敗しにくくなります。
初めて壁紙DIYに挑戦する方は、まず無地の壁紙で目立たない場所から始めることをおすすめします。1面貼ってみて、つなぎ目の仕上がりに満足できたら、他の部屋にも挑戦してみましょう。失敗しても補修方法を知っていれば対処できます。
それでも不安な場合や、広範囲の施工、柄物の壁紙を貼りたい場合は、プロに依頼することも選択肢の一つです。DIYとプロ依頼、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分に合った方法を選んでください。

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