家具を動かしたときや、重いものを落としてしまったときにできるフローリングのへこみ。気づいたときのショックは大きいものですよね。特に賃貸住宅にお住まいの方は、退去時の修繕費が心配になるのではないでしょうか。「アイロンで直せる」という情報を聞いたことがある方も多いと思いますが、本当に効果があるのか不安に感じている方も少なくありません。この記事では、フローリングのへこみをDIYで直す方法について、へこみの種類別に具体的な手順をご紹介します。アイロンを使った方法から、深いへこみへの対処法、賃貸での注意点まで詳しく解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。
フローリングのへこみの種類と原因
フローリングのへこみには、程度や原因によっていくつかの種類があります。適切な補修方法を選ぶためには、まずへこみの状態を正確に把握することが重要です。ここでは、へこみの種類と原因について詳しく見ていきましょう。
軽度のへこみ→アイロンで直せる可能性あり
軽度のへこみとは、木材の繊維が圧縮されただけで、表面の塗装が剥がれていない状態のことを指します。このタイプのへこみは、以下のような原因で発生します。
- テーブルや椅子などの家具の脚による長期間の荷重
- キャスター付きの椅子による繰り返しの圧力
- 小さなおもちゃやペンなどを踏んでしまった跡
- 軽量の物を落としたときの衝撃
このような軽度のへこみは、木材の繊維が元の形状を記憶しているため、水分と熱を加えることで元に戻る可能性があります。特に無垢材のフローリングの場合、アイロンを使った方法で高い成功率が期待できます。へこみの深さが1〜2mm程度で、表面に傷や塗装の剥がれがない場合は、まずアイロン法を試してみる価値があるでしょう。
深いへこみ・えぐれ→パテ補修が必要
深いへこみやえぐれは、強い衝撃によって木材の繊維が破壊され、物理的に欠損している状態です。このタイプのへこみの原因には以下があります。
- 重量物(家電製品、家具など)の落下
- ハンマーやドライバーなどの工具を落とした衝撃
- ペットの爪による引っかき傷の蓄積
- 角のある硬い物をぶつけたときの打痕
深さが2mm以上あるへこみや、木材が削れてしまっているえぐれは、アイロンでは復元できません。このような場合は、専用の補修パテで欠損部分を埋める必要があります。パテ補修は比較的難易度が高く、フローリングの色に合わせた材料選びや、平滑に仕上げる技術が求められます。DIYに自信がない方は、専門業者への依頼も検討しましょう。
塗装剥がれを伴うへこみ→複合的な処置が必要
塗装剥がれを伴うへこみは、最も対処が難しいタイプです。へこみそのものに加えて、表面の保護層が損傷しているため、見た目の問題だけでなく、水分による腐食のリスクも高まります。
このタイプのへこみが発生する原因は以下の通りです。
- 鋭利な物による引っかき
- 高温の物(アイロン本体など)を直接置いてしまった
- 化学薬品(漂白剤、洗剤など)をこぼした
- 水濡れを長期間放置したことによる塗装の浮き
塗装剥がれを伴う場合は、へこみの補修に加えて塗装の修復も必要になります。具体的には、パテでへこみを埋めた後、サンドペーパーで平滑にし、周囲の色に合わせた塗料で仕上げる工程が必要です。この作業は高度な技術を要するため、仕上がりの美しさを重視する場合は、プロに依頼することをおすすめします。特に賃貸住宅では、不適切な補修がかえって原状回復費用を高める可能性もあるため、慎重な判断が求められます。
アイロンでへこみを直す方法【軽度向け】
軽度のへこみに対して、アイロンを使った補修方法は手軽で効果的な手段です。ただし、正しい手順と注意点を守らなければ、かえってフローリングを傷めてしまう可能性があります。ここでは、アイロン法の原理から実践手順まで詳しく解説します。
原理とメカニズム→無垢材の膨張性を利用
アイロンでへこみが直る原理は、木材の持つ吸水性と膨張性を利用したものです。木材は水分を吸収すると繊維が膨張する性質があり、圧縮されて凹んだ部分に水分と熱を加えることで、元の形状に近づけることができます。
このメカニズムが有効なのは、以下の条件が揃った場合です。
- 無垢材のフローリングである:天然木の繊維構造が保たれている
- 木材の繊維が圧縮されただけで破壊されていない:物理的な欠損がない
- 表面の塗装が薄いか、浸透性の塗料が使われている:水分が木材内部に届く
一方で、複合フローリングや化粧合板には効果がありません。これらは表面に薄い化粧シートが貼られており、アイロンの熱でシートが剥がれたり変形したりするリスクがあります。また、ウレタン塗装などの厚い塗膜がある場合も、水分が浸透しないため効果は限定的です。自宅のフローリングがどのタイプか分からない場合は、目立たない場所で試してから本番に臨むことをおすすめします。
準備するもの→アイロン・濡れタオル等
アイロン法を実践するために必要な道具は、多くの家庭にあるものばかりです。以下を準備しましょう。
| 道具・材料 | 用途・選び方のポイント |
|---|---|
| スチームアイロン | 温度調節機能付きのものが望ましい。スチーム機能があると効果的 |
| 濡れタオル(薄手) | 当て布として使用。厚すぎると熱が伝わりにくい |
| 霧吹き | へこみ部分に直接水分を与えるために使用 |
| 乾いた布 | 作業後の水分拭き取り用 |
| サンドペーパー(細目) | 仕上げ時に表面を整えるために使用(必要に応じて) |
特に重要なのはアイロンの温度設定です。高温すぎると焦げや変色の原因になり、低温すぎると効果が得られません。一般的には中温(140〜160℃程度)が適切とされています。また、濡れタオルは必ず清潔なものを使用し、色落ちしない白いタオルを選ぶと安心です。
実践手順(5ステップ)→濡らす→当て布→加熱→冷却→確認
それでは、具体的な補修手順を5つのステップで解説します。
ステップ1:へこみ部分を濡らす
まず、へこんだ部分に霧吹きで水をかけます。木材の繊維にしっかり水分を浸透させることが重要なので、表面がしっとり濡れる程度にスプレーしてください。水滴が残るほど濡らす必要はありませんが、乾いた状態では効果が得られません。水をかけた後、5〜10分程度放置して木材に水分を吸わせます。
ステップ2:濡れタオルを当てる
へこみ部分の上に、水で濡らして軽く絞った薄手のタオルを置きます。このタオルが直接熱から木材を保護する役割を果たすため、省略しないでください。タオルは2つ折り程度の厚さで十分です。
ステップ3:アイロンで加熱する
アイロンを中温(140〜160℃)に設定し、濡れタオルの上から10〜20秒程度押し当てます。絶対にフローリングに直接アイロンを当てないでください。スチーム機能があるアイロンの場合は、スチームを出しながら加熱するとより効果的です。20秒経ったら一度アイロンを離し、タオルをめくってへこみの状態を確認します。
ステップ4:冷却して様子を見る
加熱後は、乾いた布で水分を拭き取り、自然に冷却させます。木材が冷えるにつれて繊維が固定されるため、この工程は重要です。完全に冷えるまで15〜30分程度待ちましょう。急いで次の作業に移ると、せっかく膨張した繊維が元に戻ってしまうことがあります。
ステップ5:確認と必要に応じて繰り返す
冷却後、へこみが改善されているか確認します。1回で完全に元に戻らない場合でも、この工程を2〜3回繰り返すことで徐々に改善することがあります。ただし、同じ場所に何度も熱を加えると変色のリスクが高まるため、3回試しても改善が見られない場合は別の方法を検討しましょう。
成功率と注意点→無垢材のみ有効、複合材は不可
アイロン法の成功率は、フローリングの種類と損傷の程度によって大きく異なります。無垢材の軽度なへこみであれば、成功率は70〜80%と比較的高いと言われています。しかし、以下のような場合は効果が得られないか、逆効果になる可能性があります。
- 複合フローリング(合板+化粧シート):表面シートが剥がれたり浮いたりする
- ウレタン塗装などの厚い塗膜がある床:水分が浸透せず効果が薄い
- 深さ2mm以上のへこみ:繊維が破壊されているため復元できない
- 経年劣化で木材が硬化している:繊維の柔軟性が失われている
【重要な注意事項】
- 温度設定を守る:高温(180℃以上)は絶対に避けてください。焦げや変色の原因になります
- 当て布を必ず使う:直接アイロンを当てると確実にダメージを与えます
- 水分を残さない:作業後に水分が残ると、シミやカビの原因になります
- 複合フローリングでは試さない:表面シートの剥がれは元に戻せません
- 火傷に注意:アイロンやスチームで火傷をしないよう、十分に注意してください
自宅のフローリングが無垢材か複合材か判断できない場合は、目立たない隅の部分で小さくテストしてから本番に臨むことを強くおすすめします。また、賃貸住宅の場合は、補修を試みる前に管理会社や大家さんに相談することも検討しましょう。
深いへこみの補修方法【中度〜重度向け】
アイロン法では対応できない深いへこみやえぐれには、パテやクレヨンを使った補修方法が有効です。これらの方法は、欠損した部分を物理的に埋めることで、見た目を改善します。ここでは、補修キットの選び方から具体的な手順まで解説します。
補修キットの選び方→色合わせがポイント
フローリングの補修キットは、ホームセンターやオンラインショップで購入できます。選ぶ際の最重要ポイントは色合わせです。フローリングの色と大きく異なる補修材を使うと、かえって目立ってしまいます。
補修キットには以下のような種類があります。
- パテタイプ:深いへこみやえぐれに適しています。乾燥後に固まるため、しっかりと欠損部分を埋められます
- スティックタイプ(クレヨン状):浅いへこみや小さな傷に適しています。柔らかいため、作業が簡単です
- 液体タイプ:細かい傷や表面的な損傷に適しています。塗装のような仕上がりになります
色の選び方のコツは以下の通りです。
- フローリングのサンプルを持参する:可能であれば、家具の陰など目立たない部分の木屑を持ってホームセンターに行くと、正確な色合わせができます
- 複数色を混ぜる:単色では合わない場合、近い色を2〜3色混ぜることで、より自然な仕上がりになります
- 少し暗めを選ぶ:明るすぎる色は目立ちやすいため、迷ったら少し暗めの色を選ぶと失敗が少なくなります
おすすめの商品としては、建築の友のかくれん棒や、ニッペホームプロダクツのフローリング補修キットなどがあり、いずれも1,000〜2,000円程度で購入できます。色のバリエーションが豊富な製品を選ぶと、より正確な色合わせが可能です。
パテ埋め補修の手順→下地処理から仕上げまで
パテを使った補修は、以下の手順で行います。
1. 下地の清掃と整形
まず、へこみの周辺をきれいに掃除します。ゴミやホコリが残っていると、パテの密着が悪くなります。次に、へこみの縁にささくれや浮いた木片がある場合は、カッターナイフで丁寧に除去します。へこみの縁が滑らかになっていることが、美しい仕上がりの条件です。
2. パテの調色と充填
必要に応じて複数色のパテを混ぜ、フローリングの色に近づけます。混ぜる際は、捨ててもよい容器やプラスチック板の上で、ヘラを使ってしっかり混ぜてください。色が均一になったら、ヘラを使ってへこみ部分にパテを押し込むように充填します。このとき、へこみよりも少し盛り上がるくらいまで詰めるのがコツです。
3. 乾燥
パテの種類によって乾燥時間は異なりますが、一般的には30分〜2時間程度です。完全に乾燥する前に次の工程に進むと失敗するため、製品の説明書に記載された時間を必ず守ってください。触ってみて表面が固くなっていることを確認しましょう。
4. 表面の研磨
乾燥後、盛り上がった部分をサンドペーパー(240〜400番の細目)で平滑に削ります。周囲のフローリング面と同じ高さになるまで慎重に削ることが重要です。削りすぎると再度パテを盛る必要があるため、少しずつ様子を見ながら作業しましょう。研磨時に出た粉は、掃除機や濡れ雑巾でしっかり除去してください。
5. 仕上げ
最後に、補修部分にフローリング用のワックスやニスを薄く塗ります。これにより、補修部分の光沢が周囲と馴染み、より自然な仕上がりになります。ワックスは乾いた布に少量取り、補修部分とその周辺に円を描くように塗り込んでください。
クレヨン補修の使い方→表面的なへこみに有効
クレヨンタイプの補修材は、深さ1mm以下の浅いへこみや小さな傷に適しています。パテよりも手軽に使えるため、初心者にもおすすめです。
使用手順
- 補修部分の清掃:へこみやその周辺の汚れをきれいに拭き取ります
- クレヨンの塗り込み:クレヨンを直接へこみに押し当て、塗り込むように埋めていきます。少し多めに塗っても問題ありません
- 余分な補修材の除去:柔らかい布やヘラで、はみ出た部分を拭き取ります。このとき、周囲のフローリングに補修材が広がらないよう注意してください
- 仕上げ磨き:柔らかい布で軽く磨いて、表面を滑らかにします
クレヨンタイプの利点は、失敗しても簡単にやり直せることです。仕上がりに満足できない場合は、布で拭き取って再度塗り直すことができます。ただし、深いへこみには効果が薄いため、欠損が大きい場合はパテ補修を選択しましょう。
必要な道具・材料リスト
フローリングのへこみ補修に必要な道具と材料を、補修方法別にまとめました。作業前に以下を参考に準備しましょう。
アイロン修復用→アイロン、タオル、霧吹き
| 道具・材料 | 価格目安 | 備考 |
|---|---|---|
| スチームアイロン | 既存品または3,000円〜 | 温度調節機能付きが望ましい |
| 薄手のタオル | 既存品 | 白い清潔なもの |
| 霧吹き | 100円〜 | 100円ショップのもので十分 |
| 乾いた布 | 既存品 | 吸水性の良いもの |
アイロン修復は、ほとんどの家庭にある道具で実践できるため、追加費用はほぼゼロで始められるのが魅力です。ただし、アイロンは家族が使う共用品であることが多いため、作業前に家族に一言伝えておくと良いでしょう。
パテ補修用→補修キット、サンドペーパー
| 道具・材料 | 価格目安 | 備考 |
|---|---|---|
| フローリング補修パテ | 1,000円〜2,000円 | 色のバリエーションが豊富なものを選ぶ |
| ヘラ(プラスチック製) | 100円〜 | パテに付属していることも多い |
| サンドペーパー(240〜400番) | 200円〜 | 細目を選ぶ |
| カッターナイフ | 既存品または100円〜 | 下地処理用 |
| マスキングテープ | 100円〜 | 周辺保護用(必要に応じて) |
パテ補修の場合、総額1,500円〜3,000円程度で必要な材料が揃います。一度購入すれば、複数箇所の補修に使えるため、コストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。
仕上げ用→ワックス、艶出し剤
| 道具・材料 | 価格目安 | 備考 |
|---|---|---|
| フローリング用ワックス | 500円〜1,500円 | 補修部分と周囲の光沢を揃える |
| 艶出し剤(オプション) | 1,000円〜 | より自然な仕上がりにしたい場合 |
| 柔らかい布 | 既存品 | ワックス塗布用 |
仕上げ用の材料は、補修の質を大きく左右する重要なアイテムです。特にワックスは、補修部分の光沢を周囲に馴染ませる効果があり、仕上がりの自然さを大きく向上させます。少し値段が高くても、品質の良いものを選ぶことをおすすめします。
へこみ補修の注意点・よくある失敗
フローリングのへこみ補修は、正しく行えば見た目を大きく改善できますが、間違った方法では逆効果になることもあります。ここでは、よくある失敗例とその対策について解説します。
アイロン温度設定ミス→焦げ・変色の危険性
最も多い失敗がアイロンの温度設定ミスです。高温すぎると、以下のような問題が発生します。
- フローリング表面が焦げて黒く変色する
- 塗装が熱で溶けて剥がれる
- 木材そのものが炭化してしまう
- 熱によるシミが広範囲に広がる
対策として、以下の点を必ず守ってください:
- 温度は中温(140〜160℃)に設定:「ウール」や「中温」の表示がある設定を選びましょう
- 必ず濡れタオルを当てる:直接アイロンを当てることは絶対に避けてください
- 10〜20秒で一度確認:長時間連続して加熱せず、こまめに状態をチェックします
- 目立たない場所でテスト:本番前に、家具の陰など目立たない部分で試してください
万が一焦がしてしまった場合は、サンドペーパーで軽く削ってから補修パテで埋めるしかありません。焦げは簡単には取れないため、予防が最も重要です。
複合フローリングでの失敗→表面シートが剥がれる
複合フローリング(合板に化粧シートを貼ったもの)にアイロン法を試すと、表面のシートが熱で剥がれたり浮いたりするという深刻な失敗が起こります。これは元に戻すことができず、かえって損傷を広げてしまいます。
複合フローリングの見分け方:
- 表面に木目のプリントがある(天然木の凹凸がない)
- 断面を見ると、薄い化粧層と合板が層になっている
- 価格が比較的安価(無垢材より大幅に安い)
- 賃貸住宅で多く使用されている
複合フローリングの場合は、アイロン法は絶対に行わず、パテやクレヨンでの補修を選択してください。どうしても判断がつかない場合は、管理会社や建材メーカーに問い合わせることをおすすめします。
色合わせの失敗→目立つ補修跡になる
パテ補修での最大の失敗は、色合わせのミスです。フローリングの色と大きく異なる補修材を使うと、かえって目立ってしまい、見た目を悪化させます。
色合わせ失敗を防ぐコツ:
- 自然光の下で色を確認:店内の照明と自宅の明るさは異なるため、できれば自然光の下で色を比較しましょう
- 複数色を混ぜて調整:単色で合わない場合は、近い色を混ぜて微調整します
- 少し暗めを選ぶ:明るすぎる色は特に目立ちやすいため、迷ったら暗めを選びます
- 小さく試してから本番:目立たない場所で一度試し、色の確認をします
もし色合わせに失敗した場合は、その上から適切な色のパテを重ねることで修正できます。ただし、何度も重ねると表面が盛り上がってしまうため、最初の色選びが重要です。どうしても自信がない場合は、プロの業者に相談することも検討しましょう。
費用目安と業者依頼の判断基準
フローリングのへこみ補修を自分で行うか、業者に依頼するか迷う方も多いでしょう。ここでは、DIY補修と業者依頼のそれぞれの費用目安と、どちらを選ぶべきかの判断基準について解説します。
DIY補修の材料費→500円〜3,000円程度
自分でへこみ補修を行う場合の費用は、補修方法によって異なります。
アイロン法の場合:
- 霧吹き:100円
- その他は家にあるもので対応可能
- 合計:100円〜500円程度
パテ補修の場合:
- 補修パテ:1,000円〜2,000円
- サンドペーパー:200円
- ワックス:500円〜1,500円
- 合計:1,700円〜3,700円程度
クレヨン補修の場合:
- 補修クレヨンセット:1,000円〜2,000円
- 合計:1,000円〜2,000円程度
このように、DIY補修の材料費は最大でも4,000円以内に収まります。また、一度材料を購入すれば複数箇所の補修に使えるため、実質的なコストはさらに低くなります。時間的なコストを考慮しても、軽度のへこみであればDIYが経済的です。
業者依頼の相場→5,000円〜30,000円/箇所
プロの業者にフローリング補修を依頼する場合の費用相場は、損傷の程度や範囲によって大きく異なります。
| 補修内容 | 費用相場 | 作業時間 |
|---|---|---|
| 軽度のへこみ(1箇所) | 5,000円〜10,000円 | 30分〜1時間 |
| 中度のへこみ(1箇所) | 10,000円〜20,000円 | 1〜2時間 |
| 重度のへこみ・板の交換 | 20,000円〜50,000円以上 | 半日〜1日 |
| 複数箇所の一括補修 | 30,000円〜(箇所数による) | 半日〜1日 |
業者に依頼する場合、出張費や材料費が含まれるため、1箇所だけの補修でも最低5,000円程度はかかります。ただし、プロの技術による仕上がりの美しさや、作業の確実性は大きなメリットです。また、複数箇所をまとめて依頼すれば、1箇所あたりの単価が下がることもあります。
プロに任せるべきケース→広範囲・床鳴り伴う場合
以下のような場合は、DIYではなくプロの業者に依頼することを強く推奨します。
業者依頼を検討すべき状況:
- 広範囲の損傷:複数箇所にわたるへこみや、広い範囲の傷がある場合
- 深い欠損・板の割れ:木材が大きく欠けている、ひび割れがある場合
- 床鳴りを伴う:へこみと同時に歩くとギシギシ音がする場合は、下地の問題の可能性あり
- 水濡れによる損傷:床が膨らんでいる、変色が激しい場合
- 賃貸での原状回復:退去時の査定が心配な場合(プロの補修なら認められやすい)
- DIYで失敗した:自分で補修を試みたが悪化した場合
業者選びのポイント:
- 実績と専門性:フローリング補修の専門業者を選ぶ
- 見積もりの詳細さ:作業内容と費用の内訳が明確か確認する
- 口コミ・評判:インターネットのレビューや知人の紹介を参考にする
- 保証の有無:補修後の保証期間があるか確認する
- 複数社の比較:3社程度から見積もりを取って比較検討する
特に賃貸住宅の場合、自己判断でのDIY補修が原状回復費用を高める可能性もあります。管理会社指定の業者がある場合は、そちらに依頼するのが安全です。費用はかかりますが、長期的に見れば適切な選択と言えるでしょう。
賃貸でのへこみ対応と予防策
賃貸住宅にお住まいの方にとって、フローリングのへこみは退去時の原状回復費用に直結する重要な問題です。ここでは、賃貸特有の注意点と予防策について詳しく解説します。
原状回復義務の範囲→経年劣化vs故意の区別
賃貸住宅の原状回復に関しては、国土交通省のガイドラインが基準となります。このガイドラインでは、経年劣化や通常使用による損耗は借主の負担にならないとされています。
借主負担にならないケース:
- 家具の設置による自然なへこみ(長期間の荷重によるもの)
- 日光による変色
- 経年による小さな傷
- 通常の歩行によるすり減り
借主負担になるケース:
- 重量物を落としてできた深いへこみ
- 家具移動時の不注意による引きずり傷
- ペットの爪による大きな損傷
- 濡れた物を長期間放置したことによる腐食
ただし、「通常使用」の範囲は曖昧で、管理会社や大家さんによって解釈が異なることもあります。そのため、へこみができてしまった場合は、以下の対応を検討しましょう。
- 写真を撮って記録:へこみの状態と原因を記録しておく
- 管理会社に相談:自己判断で補修する前に、まず相談する
- 契約書の確認:原状回復に関する特約がないか確認する
退去前の補修判断→補修すべきへこみの基準
退去前に自分でへこみを補修すべきかどうかは、損傷の程度と補修の技術レベルによって判断が分かれます。
自分で補修してもよいケース:
- 直径5mm以下の小さなへこみ
- クレヨンタイプで目立たなくできる浅い傷
- 目立たない場所(家具の陰など)の軽度なへこみ
補修しない方がよいケース:
- 広範囲の損傷(プロに依頼すべき)
- DIYで失敗するリスクが高い深いへこみ
- 補修跡が目立つ可能性がある場合
重要なポイントは、不適切な補修がかえって原状回復費用を高める可能性があることです。例えば、色合わせに失敗して目立つ補修跡が残った場合、「入居者による不適切な補修」として全面張替えを請求されることもあります。
そのため、退去前の補修は慎重に判断し、以下の選択肢を検討してください。
- 管理会社に相談してから補修:補修してよいか、指定業者はあるか確認する
- 軽度なものだけ自分で補修:成功率の高いクレヨン補修など
- そのまま退去して査定に任せる:通常使用の範囲と主張する
- プロに依頼して補修:費用はかかるが、査定での減額リスクを下げる
へこみを作らない予防法→家具用フェルト等
最も効果的な対策は、へこみを作らないことです。以下の予防策を実践することで、フローリングのへこみを大幅に減らすことができます。
1. 家具の脚に保護材を取り付ける
テーブル、椅子、ベッドなどの家具の脚には、フェルトや専用のキャップを取り付けましょう。これにより、荷重が分散され、へこみができにくくなります。
- フェルトシール:100円ショップで購入可能。定期的に貼り替えが必要
- シリコンキャップ:耐久性が高く、滑り止め効果もある
- 荷重分散パッド:重い家具には、面積の大きいパッドを使用
2. 重量物を直置きしない
本棚、冷蔵庫、洗濯機などの重い家具や家電は、直接フローリングに置かず、専用のマットを敷くことをおすすめします。特に冷蔵庫は振動もあるため、厚手のゴムマットが有効です。
3. キャスター付き家具の使用を最小限に
キャスター付きの椅子や家具は、フローリングに細かい傷をつけやすいため、使用を控えるか、椅子用のマットを敷きましょう。特にデスクチェアは、専用のチェアマット(透明の硬質プラスチック製)を使うと効果的です。
4. 定期的な家具の配置換え
長期間同じ場所に家具を置き続けると、その部分だけへこみが深くなります。年に1〜2回、家具の位置を少しずらすだけでも、へこみの進行を防ぐことができます。
5. 物を落とさない工夫
工具や硬い物を使う作業をする際は、床に厚手のマットや段ボールを敷くなどの対策をしましょう。特にDIY作業時は、工具を落としてしまうことが多いため注意が必要です。
これらの予防策は、合計で1,000円〜3,000円程度の費用で実践できます。退去時の原状回復費用が数万円になることを考えれば、非常にコストパフォーマンスの高い投資と言えるでしょう。
まとめ
フローリングのへこみは、適切な方法を選べば自分で補修することが可能です。この記事の重要なポイントを3つにまとめます。
- 軽度のへこみはアイロン法を試す価値あり:無垢材の浅いへこみであれば、家庭にある道具で手軽に補修できます。ただし、複合フローリングには使用せず、温度設定(中温140〜160℃)と濡れタオルの使用を必ず守ってください。成功率は70〜80%程度で、費用はほぼゼロです。
- 深いへこみはパテ補修で対応:2mm以上の深いへこみや欠損がある場合は、補修パテを使った方法が適しています。色合わせが最も重要で、フローリングのサンプルを持参して材料を選ぶと失敗が少なくなります。DIYの場合は1,500円〜3,000円程度の材料費で補修可能です。
- 無理せずプロ依頼も選択肢:広範囲の損傷や床鳴りを伴う場合、賃貸での退去前補修など、プロに任せた方が安心なケースもあります。業者依頼の費用は5,000円〜30,000円/箇所ですが、仕上がりの美しさと確実性は大きなメリットです。特に賃貸では、不適切な補修がかえって原状回復費用を高めることもあるため、管理会社への相談も重要です。
フローリングのへこみに気づいたら、まず損傷の程度を確認し、自分で対応できる範囲かどうかを冷静に判断しましょう。軽度であればDIYで十分対応できますが、無理に補修して悪化させるよりも、プロに相談する勇気も必要です。また、日頃から家具の脚に保護材を取り付けるなどの予防策を実践することで、へこみそのものを減らすことができます。この記事が、あなたのフローリング補修の参考になれば幸いです。

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